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「変形性股関節症」の陰に潜むリスク。私が忙しい大病院を飛び出して、このクリニックを作った理由

  1. 「軟骨」ばかり見て、「骨」を見ていない危うさ

変形性股関節症の治療というと、多くの患者様は「すり減った軟骨」や「痛み」に意識が向きます。もちろん、痛みの除去は最優先です。

しかし、長年多くの手術を手掛けてきて、強く感じている事実があります。 それは、「変形性股関節症の患者様の中には、治療が必要な『隠れ骨粗鬆症』の方が非常に多い」ということです。

股関節が悪くなる年齢層は、骨密度が低下しやすい世代と重なります。さらに、「足が痛くて歩けない」ために運動量が減り、その結果として骨がさらに弱くなる……という悪循環にも陥っているのです。

  1. 「1年後にまた見せに来てください」の限界

勤務医時代、私はこの事実に気づいていながら、十分な対策が取れないジレンマに苦しんでいました。 大学病院や基幹病院の外来は、まさに戦場です。待合室には重症の患者様が溢れ、一人ひとりの診療時間は数分に限られます。

手術後の患者様に対して、私はこう伝えることしかできませんでした。 「人工関節の調子は良いですね。レントゲンも問題ないです」 「ただ、骨密度が低いので……近くのクリニックで治療してもらってくださいね。では、また1年後に」

本当は、ここで私が治療すべきだ。 今のうちに薬で骨を強くしておかないと、せっかく入れた人工関節の周りで骨折してしまうかもしれない——。

そう心の中で思っても、目の前の診療を回すだけで手一杯。「他院任せ」や「年1回のフォロー」では、刻一刻と進む骨の劣化にブレーキをかけることはできません。 骨粗鬆症治療は、毎月の注射や内服、生活指導など、地道で継続的な管理(マネジメント)が必要だからです。

  1. 「手術のプロ」だからこそ、「外来診療」にこだわりたい

手術の技術を磨くことは、外科医の責務です。 しかし、「最高の手術」を「最高の結果」として一生維持させるためには、「骨そのもの」を守る緻密な外来フォローが不可欠です。

「忙しいから」という理由で、この重要な部分をおろそかにしたくない。 その想いが、私がパークタワー西新宿整形外科 骨と股関節のクリニックを立ち上げた原点です。

当院は、街の整形外科としての機能に加え、「手術が必要なレベルの股関節疾患」と「骨粗鬆症治療」の両方を一貫して診るための施設です。

  1. 当院だからできる「二刀流」の治療

当院では、以下のサイクルで患者様を守ります。

  • 隠れたリスクの早期発見 全身用骨密度測定器(DEXA法)を導入し、股関節疾患の背後に隠れた骨粗鬆症を見逃しません。
  • 私が執刀します 手術が必要な場合は、連携病院にて私が責任を持って執刀します。
  • 密な術後管理 退院後は、当院でリハビリと並行して骨粗鬆症の治療を行います。「やりっぱなし」にはせず、必要な頻度でしっかりと骨の状態を観察します。
  1. 最後に

「骨の形(関節)」は手術で劇的に治せます。 しかし、「骨の強さ(骨密度)」は、日々の積み重ねでしか治せません。

忙しい大病院の外来では見過ごされがちだった、この「骨のケア」。 ここ西新宿で、私と一緒に本気で取り組んでみませんか?

「歩ける自由」を、将来の骨折で失わないために。 私は、あなたの骨を「土台」から支え続けます。